全国のスーパーやドラッグストアで、ティッシュやトイレットペーパーの品薄が続いている。メーカーはフル生産で対応し、在庫も確保しているが、すぐに売り切れてしまうため、配送が間に合わないという。だが、そんな状態も、まもなく解消に向かいそうだ。
製紙会社でつくる日本家庭紙工業会によると、ティッシュやトイレットペーパーは大半が国産で、生産も順調だ。「エリエール」のブランドで知られる大王製紙も「フル生産」(広報)だといい、大量の製品が順次、出荷されている。
実は、スーパーやドラッグストアが持つ大型倉庫には、製品が届いている。問題は、そこから各店舗に配送するトラックが十分に確保できていないのだ。
ドラッグストア大手のキリン堂ホールディングスによると、物流拠点には在庫が十分あるという。だが店舗からの発注が急増したため、さばききれなくなり、一定の数量を各店舗に割り当てる方法に改めた。広報担当者は「需要が多い店では品薄になってしまう可能性がある」と説明する。
また、紙類はかさばるため、小さな店ではトイレットペーパーだと20パックほどしか置けないところもある。卸売会社からの配送回数を増やせばいいが、店舗によって「毎日1回」「週3日」などとあらかじめ決まっており、ドライバー不足もあって対応が難しい。
今回の品薄は新型コロナウイルスの感染拡大で「ティッシュやトイレットペーパーが今後なくなる」とするデマが発端だった。生活必需品で腐らないため、デマと知りつつ買いだめに走る人も多かったようだ。
とはいえ、自宅に大量の「在庫」を抱えていても、かさばるだけで、使い切るのも時間がかかる。日本家庭紙工業会の担当者は「買いだめはこの10日ほどで一通り終わった。(工場や倉庫に)在庫が十分ある以上、店の品薄状態が解消されるのは時間の問題だ」とみる。(久保田侑暉、大川洋輔)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル